サステナビリティ[環境への取り組み]
FSC®森林認証
なぜFSC®森林認証に着手したか
図に示すように紙は2つのサイクルから成り立っています。古紙回収に代表される「 紙のサイクル」 とCO₂が森で固定され木になる「 森のサイクル」です。三菱製紙は、コート紙やインクジェット用紙などの高い品質を求められる紙を生産しており、古紙を配合できない品種が多くありました。そこで、環境配慮を「森のサイクル」に求めました。「 森のサイクル」 では、森林が適切に管理されていること、すなわち生態系や資源量に配慮した森林管理が大切です。「 森のサイクル」を回していることを確実にするため、2001年からFSC®森林認証に取り組みました。
生物多様性保全とFSC®森林認証
FSC®森林認証は、経済、環境、社会的な観点から責任ある森林管理を審査・認証するとともに、その森林で生産された木材及び木材製品にラベリングすることを通じて世界の森林を健全にすることを目的としています。具体的には「 FSC® 10 の原則」 を守って森林を管理することを定めています。生物多様性に関しては、希少種や絶滅危惧種の保護を定めた原則6と生物多様性の観点から価値が高い森林の保護を定めている原則9で配慮を求めています。FSC®森林認証のルールに従って紙を生産することにより、生物多様性への影響を少なくできると考えています。
FSC® 10の原則
原則1.法律や国際的な取り決めを守っている
原則2.労働者の権利や安全を守る
原則3.先住民族の伝統的な権利を尊重している
原則4.地域社会の権利を守り、地域社会と良好な関係にある
原則5.多様で豊かな森の恵みを大切にする
原則6.環境を守り、悪影響を抑えている
原則7.森林管理が計画的に実行されている
原則8.適切な森林管理がされているか定期的にチェックしている
原則9.保護する価値の高い資源を守っている
原則10.管理方針やFSC®の原則に沿った管理活動が実施されている
FSC®森林認証における中核的労働要求事項
当社はFSC®森林認証制度のCOC規格(FSC-STD-40-004)で示されているFSC®中核的労働要求事項を尊重し、森林認証に係わる労働者の人権を擁護するため、以下の方針を表明します。
FSC®中核的労働要求事項を含む方針
- 児童労働の禁止
各国・地域の法令が定める雇用最低年齢に満たない児童を就労させません。 - 強制労働の排除
いかなる就業形態においても、不当な労働を強制しません。 - 職業と雇用における差別の排除
基本的人権を尊重し、国籍・人種・出身地・性別・宗教・疾病・障がいなどによる差別セクシャルハラスメント・パワーハラスメントなど、人権を無視する行為は行いません。 - 結社の自由および団体交渉権の尊重
国連の提唱する普遍的原則(結社の自由・団体交渉権の承認)を支持します。
FSC®森林認証取得の経過
2001年に八戸工場で製紙工場として日本で初めてCOC(加工・流通)認証を取得し、FSC®森林認証紙の生産を始めました。その後、国内の工場で順次COC 認証を取得し、認証製品の品種拡大を行ってきました。
2007年には、ドイツ子会社(三菱ハイテクペーパー・フレンスブルク)においてCOC認証を取得し、三菱製紙グループの全ての紙生産拠点で認証を取得しました。国内社有林でのFM 認証の取得も進め、青森県、岩手県、福島県の3カ所が認証林になりました。
三菱製紙グループのFSC®認証取得事業所
森林管理 | 岩泉社有林(岩泉町グループ認証) | SA-FM/COC-001289 |
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白河・七戸社有林 | SA-FM/COC-002322 | |
紙製造 | 三菱製紙 -本社 -八戸工場 -高砂工場 -京都工場 -北上工場 -MOC(エム・ピー・エム・オペレーション株式会社) -MOH(エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ株式会社) |
SCS-COC-000328 |
三菱製紙 -富士工場 |
SGSHK-COC-006878 | |
三菱ハイテクペーパーヨーロッパ GmbH(ドイツ)ビーレフェルト工場 | SGSCH-COC-002664 | |
販売 | 三菱王子紙販売 | SCS-COC-000424 |
三菱イメージング (USA) | SW-COC-001431 |